(以下の記事はHUFFPOSTからの抜粋です。)
これまでにない新しいサービス、市場が生み出される時、既存の「ルール」とギャップが生じることがあります。政策や法律にもアプローチしながら事業を創出していくためにはどのようにすればよいのでしょうか。
第8回のテーマは「PEST(※)を変えて事業や産業を創出していく時代」。
これまでにない新しいサービス、市場が生み出される時、既存の「ルール」とギャップが生じることがあります。政策や法律にもアプローチしながら事業を創出していく考え方が、パブリックアフェアーズです。
これまで、新しいビジネス領域を中心に、政府・自治体・NPO等との関係構築・連携支援を行ってきたマカイラ株式会社ディレクター安井裕之さんに、ビジネスとルールメイキングの観点からお話を聞きました。(ファシリテーション:ザ・ソーシャルグッドアカデミア 代表・大畑慎治)
※PEST分析…Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの要素で分析したマーケティングのフレームワーク。
新しい市場には新しいルールが必要になる
近年、多くの新技術が生まれています。
しかし、自動運転、ドローンや空飛ぶ車、シェアリングエコノミー、AIにブロックチェーン、Web3……といった技術の成熟に対して、世論や法制度が追いついていないのが現実です。これが、最先端の領域を事業に据えるスタートアップの壁に。「だからこそ、近年パブリックアフェアーズという分野が注目されてきている」と安井さん。
パブリックアフェアーズとは、企業・団体などが、その戦略目的を達成するために、ルール形成・緩和や、社会からの好感・支持獲得を目指し、公共・非営利セクターや社会・世論に対して行う働きかけのことです。パブリックリレーションズ(PR)は顧客や従業員を含む社内外のあらゆるステークホルダーとの関係構築を指しますが、パブリックアフェアーズは政府・業界団体・NGO・メディアなど、公共的なステークホルダーとの関係値を指します。
従来型の企業のロビイングは、利益誘導的かつクローズドな働きかけという側面がありましたが、パブリックアフェアーズは、社会的な利益を見据えたビジネスのためのオープンなルール形成プロセスであると安井さんは説明します。
これまでのマーケティングで主流だったのは「PEST分析」というフレームワーク。既存の環境、商習慣、ルールなどを前提としたPEST分析は、既存の枠組みに依存してしまうため、真新しい事業開発ではうまくワークしない場合もあります。
社会にとって意義のある事業モデルを実現するために、パブリックアフェアーズで外部環境(PEST)を変え(=非市場戦路)、さらにアートやデザインの力で社会への共感、浸透、実装を加速させていく流れが必要なのです。
「自分たちが創っていきたい未来や社会に向けて、PEST“自体”も変えながら事業のあるべき姿を創出していくことが重要です」
パブリックアフェアーズの多層なアプローチ法
安井さんはこれまでの経験から、パブリックアフェアーズのアプローチは大きく3つに分けられると言います。
ひとつ目が「アジェンダセッティング」、ふたつ目が「コンセンサス形成」、そして最後が「ルール形成」です。
記事全文はHUFFPOSTでご覧いただけます。
社会課題を解決するビジネスに「法律が追い付いていない」問題。ルールメイキングの最前線
ゲスト:
安井 裕之(マカイラ株式会社 ディレクター)
モデレーター:
大畑 慎治(ザ・ソーシャルグッドアカデミア 代表 )